Rinkak 3D Printing Design Contest Merit Award受賞者インタビュー Igor Knezevic さん

2015/08/17
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- Merit Award(銀賞)の受賞、おめでとうございます。ご感想をお聞かせください。


私のジュエリーのひとつが受賞できたことは、本当に幸せです。これは、材料ナイロンの特性を活かす、非常にしなやかな柔軟性を併せ持った作品です。この機会で、こうした考え方を継続し、複数のデザインを生み出す大きな励みとなっています。



- 受賞作「Wavelet. B bracelet」は何にインスパイアされて制作したのでしょうか?


はい、この作品は音とダイナミックフローに触発されています。波形は、空間と時間の音の表現です。ここには繰り返しやリズムがありますから、この3D形式の対称性として表現しました。





-「Wavelet. B bracelet」をデザインするとき、 最も困難だった部分は何でしょうか?


ナイロン素材の柔軟性が、ブレスレットとして着用する際に快適であること、そして印刷することが安価であるよう(体積を減らして)薄く保つことでした。この作品は、極端な柔軟性を活かせるナイロン素材の3Dプリントだからこそ、生み出すことが出来たのです。


- このブレスレットを通じて、どんな人達とこのデザインの感覚を共有したいですか?


私は自分のデザインに "エレガント" さを感じるとき、私のデザインの意図が成功していると言えます。しかしながら、"エレガント"をちゃんと説明することは、時に困難なのです...。デザインを観察する人の文化的背景にも依存しますから。けれども、"エレガント"には根底に流れるシンプルさが必要なのだと、私は信じています。本当にエレガントなデザインは、複雑に作られてはいません。世界で最高のデザイン文化である日本のデザインには、過去にも現在にも、そうしたシンプルなものが多く見られます。だからこそ、私は日本のコンテストで賞を獲得できたことを非常に嬉しく思うのです。



- ちょっとユニークな質問ですが、もしこのブレスレットが、別の形状に変化していくとしたら、何に変化すると思いますか?


私は既にこのようなデザインには、同じような幾何学に基づいていくつかのデザインを行っていますから...パラメトリックまたは生成的なデザインツールを使用して導き出しますから、多くの方法でカスタマイズすることができるんですよ。




- 普段の、あなたの職業について教えてください。


建築家であり、デザイナーであり、映画のコンセプトデザイナーでもあります。
私の仕事の詳細はこちらのリンクで確認できますから、是非。
IMDB:http://www.imdb.com/name/nm2251995/


- いつごろから、3Dデザイナーとしての生活を始めたのでしょうか?


ええと、私が16歳のときにイラストや漫画を描き始めて...しかし最初のちゃんとしたデザインは1992年にドイツで建築事務所にいた時でしょうか。その後、ウィーンとロンドンでも同様の仕事を継続していました。



- どのようなきっかけで、デザインをはじめたのですか?


私は常にアートやデザインに魅了されて漫画やイラストを描いているうち、16歳の頃から小さな雑誌に掲載する機会を得たんです。その後、私は建築に焦点を当てました。


- デザインについて、あなたは特に何を大切にしていますか?


良い質問ですね。私は良いデザインを生み出すには、プロセスとデザイン手法をどのように設定するかだと、信じています。

どのようなマインドで...デザインと向きあうのか?一番最初にデザイン制約を設定し、その中で良いデザインを持って進んでいくことがまず非常に重要であると考えています。制約のない、完全な自由こそ想像力を素晴らしいものにする...なんてことは、実際にはありません!むしろ、デザインの制約は設計上の問題の殆どを解決することができます。...制約条件が、賢明に選ばれていればの話ですが。

誰かがかつて「良い質問の中には、答えの半分が既にある」と述べました。コントロールの一部を放棄して、ランダム性をも受け入れてみるんです。多くのジャズを演奏するように...即興で。そして時々、失敗するんです。実際に、失敗なんてたくさん起こります。でも、繰り返します。挑戦し続けるんです。それこそが、デザインのインスピレーションなんです。



- あなたがインスパイアされるものを、教えてください。


音楽、科学、3Dプリンティングのための、数学。
(子供の頃は、数学が嫌いでした...でも今は、隠された無限の美しさを実感しています)



- ところで、3Dプリンティングをはじめたキッカケは、何だったのでしょう?


私はある建築設計事務所で、初期のZCorpプリンターを使う機会を得ました…SLS方式のナイロンで出力してみてはじめて、このとき私は3Dプリントがもう "プロトタイプ" のためだけではないことを理解しました...実際、最終製品用の精度まで造形できるのだと。

最近の金属と銀/金などの材料でより多くのオプションがありますが、最高級の3Dプリンターであれば、オブジェクトがカスタマイズされ、製造コストの大幅な投資なしに生産性を向上させることができますしね。間違いなく、最終製品を求める顧客のために可能な限り最高のデザインを作成するのに、役立ちますね。



- ご自身の3Dプリントの経験について教えてただけますか?


3Dプリントのためのデザインプロセスは、任意の設計手法と同じです...しかし、多くの自由は与えてくれません...。この時点で重大な制限を有します。私は多くのアイデアを膨大な量のスケッチで行います。常にいつでも、アイデアはスケッチブックに起こしておくのです。私は3Dで作業を開始したら...スケッチは、私のオリジナルのアイデアのリマインダーとしてのみ使用します。フル3Dでのデジタル作業については、特に一つのパラメトリックワークフローを使用している場合などは、私にとって探査のプロセスですね。

Rinkakで見ることができる彼の最新作 [Tectonic Plate medium - Indigo]



- 今計画している3Dプリント用のデザインはありますか?


もっと大規模な3Dプリント製のランプ...またロボット研究家/アーティストとのコラボレーションなどは、本番環境用のインタラクティブなウェアラブルドレスを作成しています。



- 使用しているソフトウェアについて、教えてください。


私は主に、3D Studio MAX ver. 2015を使用しています。RhinoやGrasshopper
(パラメトリック設計ツール)、3D-Coat、ZBrush、Photoshopも使います。


- そのソフトウェアの機能の快適さについてはいかがですか?


3Dモデリングとデザインのために... 私は15年以上これらのアプリケーションを使ってきたので、高度なユーザーにあたるのでしょう...、けれども、良いデザイン制作の3Dモデリングソフトウェアの専門家になる必要性は、私は信じていません。(機能を快適に使うには)作業を維持するための想像力と規律を持っていることでしょうか。



Rinkak 3D printing design Contestについては こちら





CREATOR PROFILE

Igor Knezevic a.k.a Alienology

LAを拠点に、デジタルデザインや手法開発に主眼を置きながら、MTV Europe、Universal、Paramount等向けにコンセプトデザインを制作している。2009年にAlienologyを起ち上げクリエイティブディレクターとして活動、ライティングやジュエリー等のプロダクトデザインに携わっている。


Alienology's shop


INTEVIEWER


Yusuke Arai

新井 優佑(あらい・ゆうすけ)
インタビュアー。7年の出版社勤務を経て、独立。町工場を取材する中、日本の零細企業や小規模事業者の創意工夫には、仕事を豊かにする根源的なリソースが満ちていることを実感。手仕事からFabまで、作家の試行錯誤を追う。趣味・インタビュー、特技・インタビュー。
Twitter・ar1ys1c、Facebook・arai1983


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