11.「ストーリーと3Dプリンターが出会う時、国境はひらく」Maniさん

2015/02/20
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子供の頃、日本のアニメや特撮に触れた経験が、物語のあるものづくりへと結びつき、今、3Dプリンターを通じて世界に還元される。Maniさんの出品作品は、どれもファンタジックなストーリーの伝わってくるフォルムが体現されています。rinkak US版がローンチして、はじめてのCreators Voiceは、そんなManiさんにインタビューをしました。ストーリーのあるデジファブの世界を語っていただきます。



Q: 普段はどのようなことをしていますか?


M(Mani): 僕は、デジタルアーティストでおもちゃのデザイナーです。普段はアート作品を製作したり、自分のブランドや本のデジタルイラストレーションに多くの時間を使っていますね。毎日定期的に、ロボットや特撮のおもちゃなどの世界中のニュースをチェックしています。あと、現代芸術、デザインや建築を見るのも大好きです。


Q: 3Dプリンターを使った活動だけではなく、創作活動はいつから始まったの?



M: 思えば3歳の頃、僕は父の絵を描いたのですが、未だに彼はその絵を持っていて自分でもよくできたと思います(笑)。イランにいた小学生の頃は、よく想像でロボットを描いていたものです。その後、高校ではマクロスなどのアニメに大きく影響を受けました。僕の数学の本は、技術的なマクロスの戦闘機の絵でいっぱいでした。実際の数学の問題集に答えるよりも、ジェット機がどうやってロボットに変わるかどうかを理解することに必死でした。インターネットが使えるようになって、それは明らかになりましたけど(笑)。






Q: きっかけはなんでしたか?


M: ロボットと自動車のスケッチでいっぱいになったそれらの問題集は、大学でプロダクトデザインを学ぶきっかけになりましたね。なので僕は、学士の勉強の為にオランダに移りました。オランダでは当時、素晴らしい3Dプリントの時代に差し掛かっていたし、その勉強のために、実際に動くフィギュアロボットを造り始めました。大人になって現代アート、創造原理を取り入れ、真面目に自分の興味を選択しました。そして、子供の文化とデザインに関する学問の為にスウェーデンへと移りました。僕は、ほとんどの時間を子供時代が現代社会に与える影響について研究し、またこの頃、大衆文化と職人の技術に、より興味を持つきっかけを得ました。


創作するにあたって、気をけていることは?


まず、物語を伝えられないようなモノは、まるで退屈ですし、この世界に存在する価値がありません。(どの芸術家もデザイナーも、作る前にまず考えるべき点だと思います)そのあと型についてですね。ユニークであるべきだし、同時に自分のスタイルを形に表現すべきです。私がそれを愛せば、みんなそれを愛すでしょうから。




Q: アイデアを得るためのインスピレーションは、どこから受けているの?


僕は多くのものから影響を受けました。宮崎駿のようなプロの芸術家のアニメや特撮テレビシリーズ、ファッションやペルシアの建築、日本の伝統的な技術からも影響を受けています。村上春樹などのお気に入りの作家の本や奈良美智などの現代芸術家、そして私自身の日常からもインスピレーションを得ていますね。


Q: 日本のアニメーションや特撮をモチーフにした、3Dプリンター作品を手がける理由は?


日本のアニメは僕の幼少期の一部であり、インスピレーションの素材の一つ。僕の作品にも積み重ねられています。



Q: 3Dプリンターを使用したきっかけがあれば教えて下さい。


3Dプリントは自由です。私はかつて木やメタル、プラスチックなどの様々な素材から自分のフィギュアを作っていました。なのでこのときは物語性よりも技術的な問題を解決するのにより多くの時間を費やしました。しかし3Dプリントを使う際は、物語性と視覚的な形の追求に多くの時間を費やしましたね。一見不可能と思われるような、複雑でクレイジーな形状だって、すべてつくることができますから。


考えるグージラ。ゴジラじゃないよ!(笑)

ソフトは何をお使いですか?また、使い心地はいかがですか?


ライノセラスです。
特に、緩い骨組みや壁の厚さなどプリント能力の問題を解決するのが簡単にできますね。



Q: これから作りたいものがあれば教えて下さい。


いわゆる従来の工場の方法で製作するのは不可能なもの。rinkakの人々が3Dプリンターで出来たそれを見たら「ぅわお!それ欲しいっ!」って思わず言っちゃうようなね!










CREATOR PROFILE

Mani

おもちゃのデザイナー。デジタルアーティスト。セルフブランド、書籍向けのイラスト制作をする傍ら、幼少期から影響を受けてきた日本のアニメや特撮をモチーフに創作する3Dプリント作品をrinkakに出品する。
URL: http://www.behance.net/manizamani


★Maniさんのrinkakショップはこちら


INTEVIEWER


新井 優佑(あらい・ゆうすけ)

インタビュアー。7年の出版社勤務を経て、独立。町工場を取材する中、日本の零細企業や小規模事業者の創意工夫には、仕事を豊かにする根源的なリソースが満ちていることを実感。手仕事からFabまで、作家の試行錯誤を追う。趣味・インタビュー、特技・インタビュー。
Twitter・ar1ys1c、Facebook・arai1983

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