09.「3Dプリンターが拓く女性作家の新世界」Watanabe_Kayokoさん

2015/01/23
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ツールがルールを変えて、新しいロールを生む。人は新しい仕事を見つけた時、今までにない想像力と行動力を得る。rinkakにて、ユニセックスな編み目状の「iPhone バンパー」を出品するWatanabe_Kayokoさんもその一人。彼女は、パソコンを開いてもWordやExcelしか扱えなかった初心者だった。「身近にある、子どもが喜ぶ物を創作したい」。その想いに突き動かされ、3Dプリンターをゼロから習得。ユニセックスで洗練されたデザインの作品を創造するまでにいたった。rinkak内でもまだ少ない女性クリエイターを代表して、3Dプリンターを身に付けた経緯を語って頂いた。




■ふだんのお仕事は?

Watanabe_Kayokoさん(以下W):主婦です。自宅で飼っている犬がとても可愛いんですよ。

家事の傍ら、JumというWEBショップの運営もしています。身近にあるといいものをテーマに、子どもが喜びそうな物を創作して、販売しています。


■以前から創作活動を?

絵は描いていましたが、3Dのモデリングは未経験です。本を買ってきて、一から勉強しました。主人がプロダクトデザイナーなので、休みの日には主人に教えてもらいながら勉強しました。大変でしたが、今となってはいい思い出です。勉強自体、ちゃんとやったのは高校生ぶりで、大学生の頃を含めても間違いなく一番やりましたね。結婚を機に新しいことを始めたかったんです。


コンセプトもしっかりと。イラスト入りでわかりやすい



■ゼロからの3Dプリンター。一番の苦労は?

パソコンです。WordとExcelぐらいしか使ったことがなかったので…。


■信じられない…! パソコンが苦手でも3Dプリンターは使えますか?

最初は、「こんなに難しいことは絶対にできない」と思うかもしれません。でも、やりはじめたら本当に楽しいんですよ。それに全然、難しくない。3Dプリンターという言葉が何を指しているのかすら、わかっていなかった私ができたくらいですから!

使えば使うほど、自分に成果が返ってくる道具だと思います。自分の考えた物が形になってインターネットに載った時は、すごくワクワクしますし。手軽に、隙間時間で3Dプリンターをはじめる人が増えたらいいなぁ。


■出品作品の「iPhone バンパー」は、どうして創作しようと?

学生が持ち歩いていて、「持ち難そうだなぁー」と思ったのがキッカケです。

丈夫でデザイン的にも洗練されていて、軽くて持ちやすいフィット感のある物に仕上げたかったんですね。モデリングは大変でしたが、ゆっくり慎重に時間をかけて頑張りました。





■ユニセックスなデザインで、rinkakスタッフも愛用しています。この編み目が印象的。

母が手編みをしているのでその影響もあるかもしれません。でも実際は東京スカイツリーに行った際、そのトラス構造を見て思いつきました。気に入ってもらえて、嬉しいです。



■だから編み目が三角形なんですね。それにしても、家事と創作の両立は大変では?

そんなに苦労しませんよ。家事と子育てと仕事を両立している友達はたくさんいて、すごいなぁと思いますし。考え過ぎてもキリがないので、食材を買いに行く時や掃除をしている時に、ふと頭に舞い込んできたアイデアをメモで残しています。家事と創作を分けないようにしていますね。


■日常の一部として3Dプリンターと向き合っているんですね。着想を得るのも日常から?

そうですね。住んでいる街には子どもや学生さんからご年配の方々までたくさんいらっしゃいます。また、木々や緑が多くて、海も近いんです。近所で買い物をしている時や散歩をしている時に、周りの人たちや自然からインスピレーションをもらっています。


■アイデアを思いついてから、作品に仕上げるまでの作業フローを教えてください。

iPhoneバンパーの場合は、まず落書き帳に描いてみました。それを頭の中で順番に整理してから、パソコンに起こしました。原始的かもしれませんが、外出する時はいつも、カバンの中にメモ帳とペンを入れています。



■そもそも、3Dプリンターをはじめたキッカケは?

アイデアをすぐにカタチにできるから、私みたいな主婦でも簡単にものづくりに挑戦できると思ったんです。





■ソフトは何を?

Shade 3Dを使っています。レンダリングがすごく綺麗なので、造形した時のイメージがつきやすいんですよ。


■今後はどんな作品を作りたいですか?

子どもたちがワッと喜ぶ作品を作りたいです。値段も手頃な価格で、3Dプリンターからでしか手に入らないような商品を。普段使いのコップや玩具ですかね。想像するだけでたくさん頭に浮かびます。


■創作意欲は膨らみますね!

私的には、趣味や仕事として、同じ女性の方が3Dプリンターに参加してほしいと思っています。そうなったら、より一層私も頑張らなくちゃ。一緒に楽しめたらいいなぁ。

女性として、温かみのあるデザインを作りたいと思っているんですね。また、丸みがあって、なぜかほっとするデザインというコンセプトで、3Dプリンターを使うのもいいですよね!














CREATOR PROFILE


Watanabe_Kayoko

主婦。プロダクトデザイナーの夫からサポートを受け、ゼロから3Dプリンターの知識を身に付けた。自然が多く、老若男女の集う生活空間からのインスピレーションを素に、創作活動を行う。rinkak出品作品「iPhone バンパー」の他、子ども向けのプロダクトをWEBショップ「Jum」で販売中。
Jum URL:http://jum.thebase.in
★Watanabe_Kayokoさんのrinkakショップはこちら


INTEVIEWER


新井 優佑(あらい・ゆうすけ)

インタビュアー。7年の出版社勤務を経て、独立。町工場を取材する中、日本の零細企業や小規模事業者の創意工夫には、仕事を豊かにする根源的なリソースが満ちていることを実感。手仕事からFabまで、作家の試行錯誤を追う。趣味・インタビュー、特技・インタビュー。
Twitter・ar1ys1c、Facebook・arai1983

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